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たまごの凍結保存 (1)

1980年代の凍結受精卵による妊娠例の報告は、生殖補助医療関係者にとって画期的な出来事でした。ただし、当時の成績はまだまだ満足のいくものではありませんでした。20年余にわたる多くの研究者の様々な改良工夫によってその成功率は向上し、たまご(卵子や胚)の凍結保存は、不妊治療戦略の可能性を広げる技術として、生殖補助医療の歴史の中で重要なマイルストーンとなりました。

現在、主流となっている凍結保存法は「超急速ガラス化法(Vitrification法)」と呼ばれるものです。金沢たまごクリニックでもこの方法を用いて大切なたまごを凍結保存しています。凍結の際に、凍結保護剤を凍結保存液に添加していますが、この種類と量のノウハウがたまごの生存性に大きく寄与しています。「超急速ガラス化法」と言う名前は一瞬に室温から摂氏マイナス196度まで冷却されるスピードが由来となっています。凍結されたたまごはほぼ完全に細胞内の分子運動がなく、いわば時間が止まった状態となり、理論的には半永久的に保存が可能であると言われています。

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精子の運動率と奇形率

今回は精液検査でよく耳にする、精子の運動率と奇形率についてのお話です。

 

 <運動率>

精子の運動率を測定するには、非運動精子と運動精子の数をカウントして、その比率を運動率とします。運動精子は次のように分類されます。

    A:スピードが速く、首を振りながら真っすぐ進んでいる精子

    B:スピードが遅く、くねくね進んでいる精子

    C:しっぽは動いているが前進運動していない精子

運動率の正常値は、50%以上とされています。

 

<奇形率>

しっぽの部分が曲がっている、しっぽが少し短い、頭部が大きい、変形しているなど、主に精子の外見上の分類で奇形精子は定義されています。

精液検査で奇形があることがわかっても、驚くことはありません。奇形精子は誰にでも存在していて、割合が多い場合が問題となるのです。70%未満なら心配いりません。

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