染色体はヒトの設計図
たまごクリニックでは月に2回、スタッフが集まり定例会議を行っています。
各部署で起こった出来事、改善したいこと等を意見交換する貴重な時間です。
会議の議題は様々ですが、先日はちょっとした勉強会を開催しました。
今回は染色体と細胞分裂について生物学の視点から皆で勉強しました。
そこで、今回のブログでは、少し染色体についてお話したいと思います。
ヒトの体は約60兆個もの細胞から成り立っていると言われています。
その細胞の一つ一つが46本の染色体を持っています。
46本の染色体は『ヒトの設計図を書き込んだ46冊の本』に例えることができます。
この46冊の本は、
お父さんからもらった23冊とお母さんからもらった23冊の2対で成り立っています。
23冊の内容を大まかに説明すると
『体の基本情報 1~22巻』と『別巻 性別について』といった感じです。
23冊が2対と言いましたが、
実は書き込まれている内容がまったく同じわけではありません。
家を建ててくださいとお願いしたとしても建築家が違えば設計図が違うように、
対になっている父由来の本、母由来の本にはそれぞれ個性があるのです。
(父由来の目の設計は一重の設計図、母由来の目の設計図は二重の設計図といった具合です)
たまごと精子は異なるふたりの人間であったものがひとつになり、
新たな生命となるための生殖細胞という特別な細胞です。
たまごと精子は減数分裂という特別な過程を経て、
それぞれ23冊の本を持ち寄って、ひとつになります。
もともと1mmの10分の1ほどの大きさの受精卵だった私たちは、
父と母からもらった46冊の設計図をもとにして、
新たな個性をもった命として生まれてくるのです。