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顕微授精と卵子の成熟

顕微授精をする際、卵子が成熟しているかどうか見極めてから行います。なぜかというと「卵子の成熟とは...」の回でもお話ししましたが、成熟していない未熟卵子は、減数分裂が完了していないため精子を受け入れることができません。成熟卵子には極体という印があるので、これが確認できれば顕微授精を行います。印がなく未熟卵子の場合でも、一晩お預かりして培養することで成熟卵子になることがあります。成熟すれば顕微授精を行いますので、採卵でせっかく採れた卵子が未熟だったとしても、あきらめずに待ってあげてくださいね。

 

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卵胞の成熟と卵子の質

卵胞が成熟してきたかどうかの判断は、卵胞ホルモン(E2)の測定とエコー検査での卵胞の大きさの計測で行います。

 

1成熟卵胞あたりのE2値は200pg/mlくらいで、卵巣に確認される成熟した卵胞の数をかけた値くらいあることが目安になります。つまり、採卵できそうな卵胞が3個あったとしたら200×3=600pg/ml以上あればいいと考えます。また、卵胞は成熟してくると18~20mmほどの大きさになるので、エコー検査で大きさを測定して確認します。

 

採卵日を決めるときはE2値と卵胞の大きさを指標にします。これらをチェックすることにより卵胞が成熟してきたことは判断できるのですが、残念ながら卵胞の中に入っている卵子の質まで判断することはできません。なので、採卵をしても卵子が入っておらず空胞だったり、あまり質のよくないものが入っている場合がときどきあります。

 

育ってくる胞状卵胞の中にはすべて卵子が入っているわけではなく、こうした中身のないものやあまり質の良くないものが入っていることもあるのです。原因はもともと入っていなかった、もともと質がよくなかったということになります。

 

そのおおもとの、なぜ入っていなかったのか、なぜ質がよくなかったのかは、年齢的な問題であったり、最初からそうだったということもあるでしょう。

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第49回北陸生殖医学会参加

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先日6月3日に金沢で北陸生殖医学会が開催されました。当院からも培養士、看護師、受付と病院全体で参加してきました。北陸で不妊治療に力を入れている病院や大学病院から新しい技術や現在までの成績に関してなどさまざまな発表がありました。また多施設の先生を招いて不妊治療の現在と未来についての講演もありました。今後も積極的に参加し、このような学会参加を通じて得たものを、よりよい治療としてみなさんに還元できるよう病院スタッフ皆で努力していきたいと思います。

 

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第53回日本哺乳動物卵子学会

5/26・27に大阪で開催された日本哺乳動物卵子学会に行ってきました。学会の名前の通り、ヒトだけでなくウシやブタやマウスなど様々な哺乳動物に関する研究発表がありました。さらには、魚類に関する研究も。こちらは、ヤマメでニジマスを産ませることに成功した海洋生物学の方でした。生殖における研究は、様々な分野で盛んに行われていることを実感して来ました。

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培養庫の進歩

 以前培養庫が温度・PH等の培養環境を一定に保つ役割があるというお話をしました。培養液の蒸発による浸透圧の変化を防ぐこと、炭酸ガスの検知器が加湿しないと作動しないという理由から培養庫には水を入れて加湿するというのが常識でした。

 しかし、技術は進歩し加湿の必要のない無加湿型培養庫が最近誕生しました。加湿せずともガス検知器が作動するようになり、また従来のものと比べお手入れも簡単になった模様です。

 機械の技術の進歩と共に私たちも日々努力し、技術を磨いて良い結果を残せるよう頑張ります。

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