受精形態がより詳しくわかるようになりました
近年、タイムラプスの導入で胚発育の観察を詳しく行えるようになり、正常受精(2PN)、異常受精(3PN)以外にも、2.1PNや1PNという受精形態があることが知られてきました。
そして2.1PN胚や1PN胚は胚盤胞培養して胚盤胞に至れば、2PN胚と同様に妊娠〜出産が期待できるとされています。
当院でも受精確認連絡時に、2.1PNや1PNが貴重胚の場合、その受精状態をお伝えし、培養を継続するか否かを選択していただくことになりました。希望されない場合は培養を終了します。
胚盤胞に至った場合、染色体の数的正常性を判断するにはPGT-A(着床前染色体異数性検査;先進医療B;現在当院では未実施、検討中)が必要ですが、PGT-Aの精度も100%ではなく、正常性の診断が未だ難しいこともお含みおきください。
受精形態別の発生頻度と胚盤胞発生率
2PN 2.1PN 1PN 3PN(異常受精)
発生頻度 胚盤胞発生率
体外受精(2308個) 顕微授精(3025個) 体外受精 顕微授精 出産
2PN 69.0% 77.7% 61.1% 55.6%
2.1PN 0.1%(3個) 1.4%(42個) 18.2% 32.8% 1名
1PN 3.3%(76個) 3.3%(99個) 33.3% 14.5% 4名
3PN 10.3% 4.5%
*2021〜2022年集計
※ご不明な点がありましたら、培養スタッフまでお尋ねください。