排卵とは卵子の入っている袋(卵胞)が破れて外に飛び出すことを言います。
この排卵はどのようにして起こるのでしょうか?
排卵は脳(下垂体、視床下部)、卵巣、子宮が関係して起こっています。
排卵までの流れを3つに分けて説明します。
①卵胞を育てる卵胞期
月経がスタートすると卵巣にある卵胞の中から5〜10個ずつの卵胞が目を覚まします。
この卵胞を育てるために脳からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌され卵胞を大きく育てます。
目を覚ました卵胞のうち一番大きく成長した卵胞が成長を続け、その他の卵胞は成長をやめて体に吸収されていきます。
一番大きく育った卵胞からはE2(卵胞ホルモン)が分泌されます。この卵胞ホルモンは子宮内膜を厚くします。
②排卵の準備をする卵胞期
卵胞が2センチほどの大きさになるとE2は血液を介して脳に卵胞が充分に発育したことを伝えます。
(この頃のE2値は卵胞1個あたり200〜300ng/mlほどになります)
③卵胞の成熟、排卵が起こる排卵期
卵胞が充分に育ったと伝わると脳はFSHの分泌を弱め、LH(黄体化ホルモン)を一時的に大量に分泌します。
(これをLHサージといいます)
LHは卵胞の内側にくっついていた卵子をはがし卵胞が破れた時に飛び出しやすくします。
LHサージがおきて32〜36時間経つと卵胞が破れて卵子が外に飛び出します。
排卵された卵子は卵管采により取り込まれ卵管に送り込まれます。
このようにして体の中では排卵が起こっています。
治療で行われる排卵誘発はくすりで卵胞の発育や排卵をコントロールし進められます。
診察の際に採血が行われるのは卵胞の大きさや子宮内膜の厚さとE2、LHなどのホルモン値を照らし合わせるためです。