精子について
本日は精子について少しお話しさせていただこうと思います。
時々、患者様から『精子をいい状態にするにはどうしたら良いか?』とご質問をお受けする事があります。
『こうすれば必ず良くなります!!』というものは、明確にはありません。
しかし、精子にとってよくないことがあります。
それは、精子が熱に弱いということです。
精子は、陰嚢の中の精巣(睾丸)で約74日かけて作られます。その陰嚢を温めすぎないように日々心がけていただければ、精子の状態を改善できるかもしれません。日常生活で出来ることを記載しますので、皆さんも実践してみてください。
《精子に良くない事》
・長風呂や長時間のサウナ
・自転車やバイクに乗りすぎてしまう
・締め付ける下着
・膝上でのノートパソコンの使用
上記の事はいずれも下半身に熱がこもってしまいます。下半身を常に通気性よく快適な状態にしてください。
また、熱以外にも精子に良くない事もあります。
・喫煙
・長い禁欲期間
喫煙は勃起不全の原因にもなりますし、精子の運動率の低下や奇形率の上昇にもつながります。運動性の弱い精子や形態の良くない精子は、受精能力が低いため不妊の原因になりえます。
『禁欲期間を長くして出来るだけ多くの精子を!!』と考えてしまう方がいますが、精子は約3日しか生存できません。それ以上の禁欲期間をとっても精子の運動率が低下してしまいます。そのため週に2〜3回ほど射精して、常に良い状態の精子にしておいて欲しいです。
最後に当院に通院されている皆様にお願いです。ご自宅で採精して、採精カップを病院に持って来てくださる際の輸送方法ですが、胸元に入れるなど人肌に近い温度の状態で持ち込んでいただきたいです。この時期は採精カップが冷たくなっている事が多々見受けられます。まだまだ寒い日が続きますので、温めすぎず、冷たくならないように人肌くらいの温度でお願いいたします。