培養庫
たまご(卵子・胚)は、「培養液について③」でお話ししたdishに入れて、培養庫(インキュベータ)内で保管・培養されています。たまごの発育には多くの因子が関係していますが、温度・PH等の培養環境を一定に保つことも大変重要なことです。この役割を果たすのが培養庫です。
たまごには快適に過ごせる温度があるため、庫内は生理的環境に近い37℃程度に保たれています。培養液のPHは7.2~7.4の弱アルカリが適当ですが、たまごが呼吸することで酸性に傾きます。庫内の炭酸ガス濃度を5%に調整することで安定させています。体内の酸素濃度は大気中(約20%)に比べて大幅に低いため、約5%の低酸素状態に設定されています。また、培養液の蒸発による浸透圧の変化を防ぐために湿度は高くなっています。